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.07年5月16日 恋心

おひさしぶりです!

いろいろありました。

いったい何があったんでしょう・・・・。

生死をさまよっていました(おおげさ)

大忙しの一ヶ月をさかのぼってみましょう。

少々長いけれど許してね・・・・。

撮影中、鼻血がとろりとでてしまいました。

鼻にティッシュをぶっこんでの撮影です。

絵になりません・・・。素敵な言葉を選んでみても

鼻の穴からティッシュがのぞいて説得力ゼロです。

クライアントも私の顔を見るのを避けて喋っていました・・・。

情けないです・・・。

しかし、鼻血は一向に止まりません。もう4時間も経ちました。

5時間後、救急患者として耳鼻科にいました。

そこで地獄の治療を受けることとなりました。

夜も10時を超えて患者はワタクシ一人でございます。

ワタクシが座る特別席は歯医者さんの椅子とよく似ています。

頭はヘッドレストに釘づけ状態で、顔を背けることが出来ません。

そんな状態でいきなり小さな鼻の穴にガーゼを何枚も押し込まれてしまいます。

押し込んだ後はすぐ取り出します・・・。「い、いたい!」

先生と、ちょっと可愛い看護婦さんはワタクシの大きな悲鳴にも耳も貸そうとしません。

たんたんと、しかも堂々と微笑みながらこの作業を続けていきます。

二人は仲良く、恋人同士の様に見えました。

ワタクシの存在がありながら暗号でおしゃべりしています。

ワタクシの心の奥底に少々嫉妬心が芽生えたのでしょうか。

無視されるのはつらいので「い、いたい!」とまた叫んでみました。

空気に何の変化もなく、先ほどよりずっと太いガーゼは

何度も何度も繰り返しくりかえし鼻の奥に突っ込まれてしまうのでした。

先生はこの痛さを知っているのだろうか?

鼻から息も出来ないので口で息をしますがひいひいぜえぜえごほんごほんと

ありったけのダダをこねてみました。

しかし、とんでもありません・・。

「ひいーーーー。」

とうとう、ワタクシの眼から泪が溢れでてきました。

でも、容赦なく続けられていきます。

バキュームで鼻血を吸い取るときは脳みそまで吸い取られるようでした。

執拗な攻撃にいたたまれなく、診察椅子から腰を浮かせ、

思わず「ゆるしてくれええ・・・」と叫んでいました。

そうです、これは完全にリンチです!リンチを受けているようです。

ワタクシの唸り声は病棟に響き渡っているはずですが、

誰も助けに来てくれません・・・・。

・・・だれもいません・・・

それでは、考え方を変えて先生とワタクシの関係をS&M関係とし、

マゾ役のワタクシは観念して痛みを悦びに変えようと努力をすることにしました。

すると、どうでしょう・・・あんなに痛かったのに、あの激痛たちは今や

何ものにも変えがたい悦びに震えています。自己催眠は素晴らしいものですね・・・。

ガーゼを押し込まれてもバキュームでどれほど吸い取られても

本当に痛みは完全に遠いどこかへ飛んでいったのですから・・・・・・。

(・・・麻酔が効いてきただけだった・・・・。)

ずいぶん時間が経ちました。

それでも鼻血は止まらないようです。

「最後の手段だな・・・。」

つっこみ先生は笑顔から、一瞬、鋭い目つきに変わりつぶやきました。

すると、なにやらいやらしくワタクシをなめまわすように見てきました。

それが合図のようでした。ちょっと可愛い看護婦さんはワタクシの背後にまわり

羽交い絞めにしてきました。

「・・・・えっつ!」と、不意をつかれ思わず大きな声をだしてしまいました。

ちょっと可愛い看護婦さんはやはり敵とつるんでいたのですね。

その行為には正直驚きました。

「2対1か・・・。」ここで逃げてもしょうがないか・・・。

もはや、完全に囚われの身となったワタクシは診療の椅子にうなだれて憔悴しきっていました。

聞いてください。

もはや、小柄だがなかなか攻撃的なつっこみ先生と

ちょっと可愛い看護婦さんの言うなりになるしかなかったのです。

ピンセットのような器具は鼻の奥のほうに入れられました。

先生は何かを見つけるとスイッチを入れて、ちょっと可愛い看護婦さんに目配せして

にやりと笑っているではないですか・・・。

パチパチと何かがはじける音がしたかと思うとワタクシの鼻の穴からは焦げ臭い

煙がでてきました。

電極によるヤキを入れられています。

昔TVで見た電気椅子による死刑執行場面のようです。

死刑執行人がスイッチを入れると死刑囚は身動きできないようにがんじがらめにされている

のにもかかわらず、その瞬間は電気椅子から少し飛び上がったように見えました。

そして、ばりばりばりと彼の身体から煙が立ち上がります。

おお、なんと恐ろしい映像だ。

さすがにこの光景は誰にもお見せできません。

このシーンはワタクシの脳裏に焼きついてしまって、その後の人生に多大な影響を与えました。

そうです。何一つ悪いことが出来なくなりました。

鼻の穴からティッシュがのぞいている場合じゃありません。

完全にアウトです。

どれほどの時間が経ったことでしょう・・・・。

先生は最後に一言「鼻血でよかったよ、頭の血管がきれてもおかしくなかったのだ。

あなたは高血圧なのだ。上が196!」と叫んでいます。

先生は続けてワタクシにいいました。

「下は145!僕の上よりずっと高いのですよ!ちなみに僕の上は115だ!」と

わざわざ申告していただきました。

「・・・そうか・・・、そういえばあの24時間心電図の結果をとりに行ってないし、あの時くれた

血圧を抑える薬は薬用袋に入ったまま家に置きっぱなしで忘れられています。」

ワタクシ大いに反省をしました。

治療中、何度も血圧を測っては先生に報告をしていたちょっと可愛い看護婦さんは、

まっすぐワタクシの顔を見てこういいました。

「血圧を下げる薬を必ず飲んでください。・・・・必ず・・・・必ず・・・・ですよ・・・。」と

ワタクシの分厚い手を柔らかな暖かい手で握りしめていただきました!!!!

「・・・・・。」

 ああ、母親のように優しい言葉に余韻という尾ひれがついています。

ワタクシはその余韻の意味を悟り、つい先ほどまで痛めつけられていた事も忘れ

心からお礼を述べたのでございます。

真剣なまなざしをいただきましたから、あの暖かく柔らかい手の感触は恋心を抱く

には申し分ないシチエーションだったのではないでしょうか・・・。

あの絶叫、興奮のるつぼ・・・今日のいろいろな出来事が思い出されます。

みんな初めての経験だった・・・。

そのはじめての夜にワタクシの心の奥底に熱い何かがはしったわけでございます・・・・。

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